ある日突然できるシミ。
「紫外線対策はしっかりとしていたつもりなのに、なぜ?」と、思われる人も多いでしょう。
シミは、ここ最近に浴びた紫外線のせいでできているものでは、ありません。
生まれてからずっと浴びてきた紫外線の積み重ねが、シミとなって突然現れるのです。
そこで、紫外線を少しでも浴びないための、紫外線予防についてお話します。
<目次>
・紫外線を浴びない方法【うっかり日焼けをしないために】
・ガラスを通る紫外線は部屋の中にも入ってくる
・紫外線貯金箱がいっぱいになるとシミができてくる
・妊娠中や生理前は日焼けしやすくなる。
うっかり日焼けをしないために紫外線の特徴をチェック
「今日は暑いから日に焼けそう」とか「くもっているから大丈夫」などと、どうしても考えてしまいがちですが、これはどちらも間違っています。
このように、紫外線のことについて、間違ったとらえ方をしていると、うっかり日焼けをしてしまったり、気がつかないうちにシミやシワを増やしてしまうことになります。
確実な紫外線対策は、紫外線のことを正しく知ることから始めなくてはいけません。
ガラスを通る紫外線は部屋の中にも入ってくる
太陽光線のうちの約50%は可視光線からなり、5%が紫外線、残りは赤外線です。
日光というと「暑い」「まぶしい」というイメージがありますが、暑いと感じるのは赤外線によるもので、まぶしく感じるのは可視光線です。紫外線は暑くもまぶしくもないので、浴びていても実感がありません。
そのためうっかり日焼けをしてしまうことがあるのです。
これらの光は、波長によって分けられています。紫外線とは波長が400ナノメートル以下、赤外線とは800ナノメートル以上の光を指します。
さらに紫外線は、A波、B波、C波に分かれますが、地上に届くのはA波とB波のみで、C波はほとんど届きません。
ただし、オゾン層の破壊によって、非常に有害なC波も、最近ではわずかに地上に届いていることが報告されています。
A波とB波には、それぞれ次ののような特徴があります。
B波のほうがエネルギーが強く、火ぶくれなどの強い日焼けを引き起こすため、古くからその弊害は知られていました。
そのため、日焼け止め化粧品は、B波をさえぎるためのものがはじめに開発されました。しかし最近では、A波のほうも肌の老化やガン化に関わることがわかってきたため、A波とB波の両方を防ぐタイプのものが主流になりました。
日光の中に含まれる光の量としては、A波のほうが10~100倍も多いといわれますので、エネルギーが弱くても、A波の影響はやはり無視できないものといえます。
紫外線貯金箱がいっぱいになるとシミができてくる
肌の奥には、紫外線貯金箱があって、そこに、毎日のわずかな紫外線でもすべて貯金されていきます。
いつか貯金箱がいっぱいになったとき、あふれ出すようにシミができてきます。
「ちょっとの外出だから、素肌のまま出かけちやおう」「洗濯物を干すときぐらいなら、いちいち日焼け止めまで塗らなくても……」などという油断が、少しずつ紫外線貯金を増やしていきます。
また、貯金箱の大きさにも人によって大小があり、生まれつき小さい人、つまり紫外線に弱い人は、すぐにあふれてしまいます。
若いころ、アウトドアのスポーツをして真っ黒に焼いていた人は、もうすでに貯金のスピードが人より速く進んでいるかもしれません。
一生に浴びる紫外線の約6割は、10代のうちに浴びてしまっている人が多いといわれますから、そのころに焼いていたかどうかが、シミのでき始める年齢に大きく影響するのです。
「今年は海で焼いてしまおうかな」などという冒険は、貯金を大きく進めることになってしまいます。
絶えざる日々の紫外線対策以外に、美肌を守る道はないのです。
妊娠中や生理前は日焼けしやすくなる。
生理前には日焼けしやすくなります。
これは、黄体ホルモン(プロゲステロン)が紫外線感受性を高めるためで、妊娠中やピルを飲んでいるときも同様です。
そのため、これらの時期にはとくに日焼け対策を万全にすべきです。
とりわけ、不規則な生活などでホルモンバランスがくずれると、いっそうシミができやすくなります。